IVRとは?
IVRは「Interactive Voice Response(自動音声応答)」の略です。IVRは、発信者を出迎え、キー操作や音声でメニューを選ばせ、質問に答えたり、適切なオペレーターや部署に通話を振り分けたりする自動電話システムです。
この記事の内容:
- カスタマーサービスにおけるIVRの意味とは?
- IVRシステムはどのように機能するのか?
- IVRにはどんな種類があるのか?
- IVRのコールフローはどのようなものか?
- IVRの代表的な事例は?
- IVRのメリットと限界は?
- AI IVRは従来のIVRと違うのか?
- LiveAgentではIVRはどう機能するのか?
カスタマーサービスにおけるIVRの意味とは?
カスタマーサービスにおけるIVRの意味はシンプルです。IVRは「Interactive Voice Response(自動音声応答)」の略で、電話に応答して選択肢を案内する自動音声のことです。これにより、オペレーターを待たずに、適切な担当者につながったり、すぐに回答を得たりできます。
このページでは、IVRは常にコールセンターやサポートチームが使う電話システムを指します。
初期の最も有名な活用例の1つが、1990年代のMoviefoneです。発信者が郵便番号を入力すると、近くの映画の上映時間を聞くことができました(IBM, interactive voice response )。現在、多くの企業に電話をかけたときに聞こえるメニューも、同じ考え方に基づいています。
IVRシステムはどのように機能するのか?
IVRシステムは、通話に応答し、メニューを再生し、発信者の入力を受け取って、それに応じた処理を行います。入力はキーパッドまたは音声で行われます。処理には、録音された回答、データの照会、コールバック、ボイスメール、オペレーターへの転送があります。
一般的な通話の流れは次のとおりです。
- 着信。 発信者があなたの番号に電話をかけると、システムがすぐに応答します。
- 挨拶とメニューの再生。 例:「営業は1を、サポートは2を押してください。」
- 発信者の応答。 キーを押すか、言葉を発します。
- システムの処理。 情報を再生したり、別の質問をしたり、コールバックを案内したり、アカウントを確認したりします。
- 通話の終了または転送。 発信者が回答を得て電話を切るか、システムが適切なオペレーター、部署、ボイスメールに通話を回します。
キー入力はDTMF信号によって機能します。Amazon Web Servicesは、これを電話のキーパッドの各数字が発する、高低2つの周波数の音が同時に鳴るものと説明しています(AWS, what is IVR )。IVRはこれらの音を読み取り、どのキーが押されたかを判断します。
IVRは通常、より大きな電話環境の一部です。コールルーティング が通話を次へ送り、自動着信呼分配 がオペレーターを選びます。これらの要素がどう組み合わさるかは、コールセンター技術 の簡単なガイドでご覧いただけます。
IVRにはどんな種類があるのか?
基本的な考え方はどの種類でも同じですが、一般的な種類は3つあり、発信者の応答方法が異なります。プッシュ式のシステムはキーパッドを使います。ディレクテッドダイアログ式のシステムは、いくつかの音声による回答を受け付けます。自然言語式のシステムは、自由な発話を理解します。AWSとIBMは、いずれもこの3つの種類を挙げています。
| 種類 | 発信者の応答方法 | 向いている用途 | 主な弱点 |
|---|---|---|---|
| プッシュ式(キーパッド) | 数字を押す | シンプルなメニュー、騒がしい場所 | 長いメニューは時間がかかり、忘れやすい |
| ディレクテッドダイアログ | 「請求」など、選択肢のいずれかを声に出す | 短く明確な選択肢 | システムが想定していない言葉では認識に失敗する |
| 自然言語 | 自分の言葉で問題を説明する | 問い合わせ理由が多岐にわたる場合 | 設定とテストに手間がかかり、誤りが目立ちやすい |
ほとんどの中小規模のチームにとっては、キーパッド式のIVRから始めるのが適切です。動作が予測しやすく、修正も簡単です。発信者がメニューに戸惑うようなら、後から音声に移行できます。
IVRのコールフローはどのようなものか?
IVRのコールフローとは、挨拶から最終的な処理まで、発信者がたどりうるすべての経路を示した地図です。メニューの各選択肢が分岐となり、各分岐は回答、オペレーター、コールバック、ボイスメールのいずれかで終わります。構築する前に紙に書き出しておくと、手戻りを大幅に減らせます。
2つの部署がある場合の簡単な例を、フローとして示します(イメージであり、実際のお客様の設定ではありません)。
| ステップ | 発信者が聞く内容 | 結果 |
|---|---|---|
| 挨拶 | 「お電話ありがとうございます。[会社名]です。次の選択肢からお選びください。」 | メニューが再生される |
| 1を押す | 「営業におつなぎします。」 | 営業チームを呼び出す。誰もオンラインでない場合、発信者はボイスメールを残せる |
| 2を押す | 「テクニカルサポートにおつなぎします。」 | サポートチームを呼び出す。誰もオンラインでない場合、発信者はボイスメールを残せる |
| キーが押されない | メニューが1回繰り返される | その後、デフォルトのチームに振り分けられる |

健全なコールフローを保つルールは3つあります。最も多い問い合わせ理由を最初に置くこと、各分岐を数ステップにとどめること、どのメニューからでも担当者につながる方法を用意することです。無料のIVRスクリプトテンプレート には、挨拶文やメニュー文言がすぐに使える形で用意されています。
IVRの代表的な事例は?
IVRが実際にどう機能するかを知る最も簡単な方法は、通話中に何をしているかを見ることです。最も一般的なIVRの事例は、部署への振り分け、時間外メッセージ、コールバックの案内、セルフサービスでの照会です。いずれも、本来ならオペレーターが手作業で行う手順を1つ省いてくれます。以下は典型的な使い方であり、特定のベンダーが提供する機能の一覧ではありません。
- 部署への振り分け。 「営業は1、サポートは2を押してください」という案内で、発信者を最初から適切なチームにつなげるため、転送が必要な通話が減ります。
- 時間外の対応。 営業時間外には、IVRが営業時間を案内し、呼び出し音を鳴らし続ける代わりにボイスメールを案内します。
- コールバックの依頼。 回線が混み合っているとき、発信者は待ち続ける代わりに折り返しを依頼できます。詳しくはカスタマーサービスのコールバック のガイドをご覧ください。
- セルフサービスでの照会。 発信者が注文番号やアカウント番号を入力すると、状況を音声で聞けます。これには、IVRとお客様のデータとの連携が必要です。
- 言語の選択。 最初のメニューで言語を尋ね、通話を対応するキューや録音音声に振り分けます。
IVRのメリットと限界は?
サポートチームにとってIVRは、時間の節約と通話の仕分けに尽きます。設計の悪いIVRは逆効果となり、発信者をいら立たせます。メリットが得られるのは、メニューが短く、担当者につながりやすい場合だけです。IVRは、処理した通話の数ではなく、発信者が必要なものをすばやく得られているかどうかで評価してください。
| メリット | 限界 |
|---|---|
| 手動での転送なしに、発信者を適切なチームへ振り分けられる | 長いメニューは、発信者が電話を切ったり0を押したりする原因になる |
| 簡単な質問に、時間を問わず対応できる | 複雑な問題を抱える発信者は、行き詰まったと感じる |
| オペレーターが応答する前に、発信者の用件を把握できる | 音声メニューは、訛りや雑音を誤認識することがある |
| コールバックやボイスメールの選択肢で待ち時間を短縮できる | 更新されていないメニューは、発信者を誤った窓口に送ってしまう |
| 後から確認できる通話データを記録できる | サービスの変更に合わせて、定期的なテストが必要 |
新しくIVRを導入する際のアドバイスは、短いメニュー1つから始め、公開後に実際の通話を10件聞き、最初に利用者が戸惑う部分を修正することです。AWSは、初回問い合わせでの解決率の向上や、時間外対応によるコスト削減もメリットとして挙げていますが、こうした成果は、メニューが発信者に合わせてどれだけうまく作られているかに左右されます。
AI IVRは従来のIVRと違うのか?
はい、違います。従来のIVRは、あなたが設計した固定メニューに従います。一方、AI IVRは音声認識と言語モデルを使って発信者の発話を理解し、より自然に応答します。従来型は動作が予測しやすく、AI型はより柔軟ですが、より多くのテストが必要です。
AI IVRに切り替える前に、3つの点を確認してください。担当者への引き継ぎ方法、システムが理解できなかったときの挙動、そして1分あたりの費用です。最初の一歩としては、キーパッドメニューを残したまま、必要な通話にだけ音声を追加するのが良いでしょう。
LiveAgentではIVRはどう機能するのか?
LiveAgentは当社の製品です。このページでは、まずIVRとは何かを説明し、その後に当社のIVRを紹介します。LiveAgentには、オンラインのデザイナーでIVRツリーを構築できるIVR機能 があり、技術的な知識は必要ありません。音声メッセージはデザイナー内で録音することも、すでにあるファイルをアップロードすることもできます。
LiveAgentのIVRでできること:
- 発信者を適切な部署やオペレーターに振り分ける。
- 保留で待たせる代わりに、自動コールバック を案内する。
- 緊急の通話を優先する。
- 録音またはアップロードした独自のメッセージを再生し、誰もオンラインでないときはボイスメールに案内する。
IVRは、LiveAgentのコールセンターソフトウェア の一部であり、コールルーティング、通話の転送、通話の録音と並んで提供されます。番号の接続からテスト通話までの全体的な設定については、コールセンター設定ガイド をご覧ください。
次のステップ
IVRとは何かがわかったところで、お客様からの問い合わせで最も多い3つの理由を書き出し、担当者につながる方法を加えた3つの選択肢のメニューにしてみましょう。その後、文言にはIVRスクリプトテンプレート を使い、コールセンターソフトウェアでフローを構築してください。
